2010年5月7日金曜日

Adobe vs Apple

すでにリンチ氏はAppleとの合意形成をあきらめ、Googleの「Android」やRIMの「BlackBerry」、Palm(間もなく Hewlett-Packard傘下に入る予定)など、iPhoneと競合するモバイル・プラットフォーム向けのFlashを開発する方針を明らかにしている。

 一方、米国の監督機関は、AppleがiPhoneアプリの開発者に自社の開発ツールを使うよう要求している行為が、反トラスト法に抵触するかどうか調査することを検討しているもようだ。リンチ氏も、こうした報道があることを示唆した。

 「人々が何を使うのか判断するのは、特定企業の役割ではなく、社会や法律の役割だと思う」と述べたリンチ氏は、「Apple と当社の間にある技術上の問題は、(Flashが)動作しないということではなく、動作してしまうという部分にある。Flashアプリケーションはどんな OSでも問題なく動作するが、Appleはこの点が気に入らないのだ」と指摘する。

 このインタビューが行われたWeb 2.0 Expoでは、HTMLの次期バージョンである「HTML 5」とFlashの競合関係についても活発な議論が展開された。HTML 5は動画やアニメーションなどをサポートしており、ジョブズ氏もFlashの代替技術としてHTML 5を支持すると表明している。

 リンチ氏は、HTML 5は「大きく進化した技術」であり、Adobeとしても最良のHTML 5開発環境を提供したいとの方針を強調したが、今後もFlashがHTML 5の一歩先を行くとの見通しも示している。